「問題!?まさか保険に入ってなかったとか…?」
朝の五時をまわっているにも関わらず、俺は眠気の一つも無く姉貴の話しに夢中だった
「それ以前の問題よ…」
(さすがに保険に入ってなかった…とかベタなオチはないよな)
「実は水橋さんのお父さんは自動車保険と生命保険を勘違いしていたの…」
そう…それはベタというにはあまりにもシュールすぎた…
(水橋さんのお父さん…馬鹿だよ)
「水橋さんのお父さんが生命保険に入ってないことが分かった時にはもう水橋さんのお父さんは死んでいたわ…」
「え!?」
俺は改めて水橋さんのお父さんが殺されたという現実を突き付けられた
「水橋さんのお父さんは薬で殺されたの…遺体は後で水橋さんの家に運ぶ予定だったらしいわ…」
姉貴の話しは続く
「水橋さんのお父さんを殺害した後に松岡組が気付いた…水橋さんのお父さんが生命保険に入ってないということに」
「それに気付いた松岡組はかなり焦っていたわ…でも松岡は冷静だった…『事故にみせかける準備はできている。あとは水橋の娘を売り飛ばせばいい』あいつ本気で水橋さんを売り飛ばす気よ…」
「そんな…どうすればいいんだよ!?どうしたら水橋さんを救えるんだよ!?」
「私だって分からないわよ!!それに目の前で人が殺されて黙ってるわけない…私は松岡組の店を出て匿名で警察に電話したわ…事故にみせかけるのを阻止するためにね。」
『♪♪♪♪♪♪♪』
姉貴の携帯の着信音が鳴りひびき…
携帯を見た姉貴の顔色が恐怖そのものに変わる…
「電話…アイツから電話が…」
