「こ、殺されたってどういうことだよ?」
暗闇に包まれた姉貴の部屋は俺に不安を感じさせた
「わ…たし…の目…の前で…」
悲しいというよりは何かに怯えているような感じ…
俺は聞き取りづらかったのでもう一度聞く
「だから誰が殺されたんだよ!?」
「松…岡組が…水橋…さ…ん」
俺は姉貴の涙声から松岡と水橋という名前をかろうじて聞き取った
「おい…まさか…殺されたって」
嫌な予感はしていた…それが当たるのは俺らしい
「姉貴…取り合えず落ち着いて…詳しく聞かせてくれないか」
俺は姉貴に冷たい水を飲ませるために一階に降りた
(まだ最悪の結末が決まったわけじゃないんだ)
ここにきてポジティブな俺…
何より姉貴が無事に帰って来てくれたことに安堵を感じていた
そして水を持って姉貴の部屋に戻る
「姉貴…水持ってきたからさ…これ飲んで」
「うん…ありがと…」
姉貴は泣いて喉が渇いていたのか一気に水を飲み干した
「もう大丈夫だから…心配かけてごめんね」
姉貴はもう泣きやんでいた
「私…見ちゃったの…水橋さんのお父さんが殺されるのを…」
「えっ…」
