俺は大杉と一緒に教室に入る。二人の行動は全く同じで
まず水橋さんの席に目をむけてから、授業中の先生に頭を下げる。頭を下げるといっても、そんなたいそうなもんじゃない。
アゴを突き出しながら首を上下運動させる憎たらしいやつだ。
そして本日の授業(お勉強)…
眠気はなかった。よく寝たから当然。しかし頭はボーっとする…。
結局、授業の内容は聞けていなかった。いつもと変わらない無意味なお勉強…
退屈な時間が窮屈に感じたので、俺はイスに座りながら背伸びをした。ついでに教室の時計を確認する。
遅刻をしたからだろうか…時間の感覚がいつもと違う。
後10分で昼休み
俺は昼休みを心の中でカウントダウンする。
しかし教室の時計は20秒早く進んでいるので見事に俺のカウントダウンは失敗した。
昼休みになりお弁当の時間…
(今日は水橋さんと食べよう!!)
俺は、水橋さんの前まで歩いて行き、周りを気にせずに話しかけた。
「水橋さん…今日、一緒に昼飯、食べない?」
「ゴメンなさい…今日は…大杉と約束があるから…」
「………。」
俺は何も言えなかった。
「月見くん…明日は?明日、一緒に食べよ?ね?」
まるで小さな子供をあやすような優しい口調だった。
「………。」
俺はショックで何も言えない…
水橋さんは『明日、約束だよ』と言い残して大杉と教室を去って行った…
虚しい敗北感が俺を襲う…
そして俺は心の中で負け犬のように叫んだ!!
水橋さん!!
俺に一言、言わしてくれ!!
明日は!!
祝日で休みです!!
