大杉は自転車置き場から渡り廊下へ移動しようとしている。俺はその背中に話しかけた。

「よぉ大杉…お前も遅刻かよ」

大杉は身体をビクッと震わせてから俺の方へ振り向く

「な、何だよ?!月見か?!島田かと思った…てか、お前も遅刻かよ(笑)」

「うるせー!!目覚まし時計が鳴らなかったんだよ!!」

「一緒!!俺も目覚まし鳴らなかった(笑)」

「あぁ~、遅刻して大杉と登校する時間も一緒だし…」

俺は頭を抱える仕草をする

大杉は笑う…

「案外、俺たち似てるのかもな(笑)」

「………。」

俺は少し、時間を溜め小さな声で言った。

「…好きな女のタイプとかな…」

「え?何?」

話しの流れで言った俺の言葉は大杉の心をエグっただろうか?

それとも、かすりさえしなかっただろうか?

教室までの渡り廊下…二人は無言で歩いた