ファル様は、途中で私に気付き、立ち止まって目に浮かべた涙をぬぐった。



「リミア、時間ある?」


捨て猫のような、すがりつく眼差し。


「ありますよ。部屋でお茶にしましょうか?」


普段から、ファル様のアランに対する話はよく聞いていた。



アランは、ルイと接し方が違うから・・・



私に対してのルイは、愛情が滲み出ているというか・・・


愛されてるのが、よくわかる。




アランもファル様の事が好きなのに、昔の私みたいに、素直に気持ちを伝えてはダメだと思ってる。