ドキッと、自分の鼓動がひときわ大きく聞こえた。


ルイのさりげない距離の縮め方に、動揺してしまう。


「リミア、これでいい?」


再度、背後から耳元で話しかけられる。


自分の後頭部が、微かにルイの胸元に触れているのも感じる。


意識しては、いけない。



「っ、それです」


私の返事を聞くと、ルイはしなやかな指先で本を抜き取った。



「どうぞ」


柔らかく微笑むルイ。