アルバート城で、暮らす事となった私。


与えられた仕事は、今までの治療に役立つ薬草の手配や、僅かに残る『治癒』の魔力を生かした救護の手伝いだった。


治癒といっても、完全ではない。


少し痛みを和らげたり、傷を塞げたりするくらいのものだ。



そして、大層にもルイは私に執務室なる『救護室』を用意してくれた。






本棚に並べられた、たくさんの書物。




その上の方にある本を取り出そうとした時、部屋のドアがノックされた。