「お疲れ様。」 久し振りに頭をフル回転させたせいかあたしはテストが終わったと同時に肩の力が抜けてしまっていた。 ふと顔を上げるとそこには愛しい王子の姿。 さっきまでガヤガヤうるさかった教室がまるで嘘かのように静寂さを取り戻している。 「あれ…みんなは?」 「もう帰っちゃったよ。だってもう6時だし」 「えっ?!」 壁にかけてある時計を見ると短い針は6を示していた。 涼しげな風があたしの頬をくすぐる。 それはもうすぐ陽が暮れることを示している。