教室に入りまっさきに目が行くのは王子の姿。
王子は友達に囲まれながら楽しそうに話していた。
「あんまり見てるとバレるよ?」
そんなあたしの横でからかうように言う美穂。
あたしは急いで目を逸らして自分の席に鞄を置いた。
自分でも気付かないうちにジッと王子のことを見ていたらしい。
美穂に言われるまでずっと気付かなかった。
「ん?どうかした?」
「な、何でもないですっ」
授業中でも暇さえあれば横にいる王子をチラ見する。
何回も見れば気付かれるのは当然で、王子は首を傾げながら不思議そうな顔をしていた。
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