僕の(わたしの)生きる世界1[完]

~執務室~

(遅い…。)

いつも冷静なポーロが、珍しくイライラしていた。

この案件が届いたのは、今日のお昼を過ぎた頃だった。

キーリ領土のギルドより、回ってきた。

キーリ領土の北東

ここ特殊部隊チームの本部より、南東にある森で、ドラゴンが旅人を威嚇していて危険な為に、何とかしてほしい。

とのことだった。

ドラゴンは、召喚によって現れる者と違って、この世界に住まうドラゴンは意志の疎通が取れない為に討伐の対象になっている。

しかし、ドラゴンはUS ランクの位置付けの為、ポーロは悩んだ。

帝を三人派遣するか、総帝であるジェイクに伝えるか。

しかし、ジェイクは学園初日である。

ただ、ジェイクに伝えずにいた場合の、後のジェイクの落胆ぶりを想像すると、ポーロは親心として胸が痛んだ。

ドラゴンに遭遇する機会は、多くはない。

ポーロは、ジェイクに念話した。

《はい!分かりました!ただ、今 友人達と食事を摂っているので、夜にでも向かいます。》

と返事があった。

ジェイクには、同年代の友人が居なかった為に、心配していたが、初日に友人と呼べる人を見つけたのだと、ポーロは自然に笑顔になった。

《ジェイク そこまで緊急性がある案件ではないから、食事を楽しみなさい。》

案件には[威嚇]とあった。
人に攻撃を加えているのではない為に、ポーロはそう伝えた。


そして、数時間後にジェイクより、念話が入る。

《今から向かいます。》





それから、もうじき20分が過ぎようとしている。

ジェイクは、目標地点への正確な転移も可能だし、いつもなら長くても10分かからずに、報告をしに戻ってくる。

あと10分で、戻らない場合は自ら出動しようか?

現地に飛んで、手に追えぬなら、他の帝達に要請をかけねば。

何かあれば、直ぐに念話が入るのだろうが。