僕の(わたしの)生きる世界1[完]

その後、アルロスは天界に帰り、ミハイルは部屋の聖魔法と結界を解くと、何やら明日の授業の準備が、と人間臭いことを言って、何処かに転移していった。

残った二人のうち、戸惑ったのは、ステラ…。



ではなく、ジェイクだった。


(どうしよう…。女性と二人きりなんて!いや、ステラさんは男性の記憶もあるって話しだし…。いや…。でも…やっぱり…。)

ジェイクの胸中がそんなことになってると、知らないステラ。

「取り合えず、夕飯までは少し時間が早いかぁ…。ジェイク…って呼び捨てにするとこから、はじめても良いかなぁ?」


「え?え?…。はい」

「じゃあ、ジェイクもステラって呼び捨てにしてね?」

「は…。はい…。」

「敬語もやめよう?わたしたち、お互いの秘密を共有している、友達じゃない!」

「は…う…うん。そうだね。ス…。ステラ…。」

昼には無表情だったジェイクが、表情を豊かに変える姿は、ステラを安心させた。