僕の(わたしの)生きる世界１［完］

老人が産まれたとき、総帝が居なくなって、10数年が経っていた。


当時の国王は、総帝が居ないのを良いことに、帝に守って貰いたくば、相応の物を。と、各領土から献上させていた。


ガーナレス国全体に、身分制があり、下位の者達は、苦しめられていた。


老人は貴族の産まれであった為に、贅沢な裕福な暮らしをしていた。


その暮らしが変わったのは、国王が魔物に殺られ、新しい国王に変わってからだった。

新しい国王は、無気力で特別に何もせず、
帝達には、魔物の討伐のみを伝えていた。

何もしない国王に変わって、領土毎で領主が政策を行うようになった。

国王が変わってから二年後、キーリ家では新しい領主が誕生した。

ステラやユアンの祖父であり、カルロの父であった。

領主は、身分制を廃止することを宣言をした。

キーリ領土内では、廃止に反対を唱えるものと、賛成をする者とで二分した。

領土内で、戦いが起こり多くの者が負傷し、命が奪われた。


老人は、そんな領主の片腕として幾度か他の貴族と剣や魔法を交えた。

しかし、貴族の数より一般の民や下位の者が多く、更に二年の後にお隣のオフワンでも、ジョイが領主になり、身分制が廃止されると、一気に終息していったと言う。

それから、この老人はずっとここで静かに暮らしている。