僕の(わたしの)生きる世界1[完]

「体調はどうですか?」

カルロは、ベッドに横たわる老人に近寄った。

「カルロか。今日は少しばかし、調子が良い…。」

この老人は、目は見えているのだろうか?

魔法の治癒を持ってしても、老いには敵わない。

それは、自然の摂理である。


「どなたかな?カルロ以外にもいるな?」


気配を感じたのか、トーマスの存在に気づく。

カルロが、トーマスを紹介した。


「今日は、聞かせて欲しいのです。ガーナレス国が変わろうとしている今。キーリが変わった時の事を。父に何があったのか。」

カルロが問うと、老人は懐かしむように話し出した。