「トーマス殿、してやられたな?」

カルロとトーマスは、領主として長年交流してきたが、考えが全く違った領土のやり方に、個人的に交流する事は無かった。

「カルロ殿には、分かりますまい。自分の息子に裏切られた気持ちなぞ。」

「そうですな。しかし、トーマス殿は、同じ気持ちであろう、マッカーニーのレオン殿ではなく、私の所へ来た。」

「あぁ 良い歳の大人が傷の舐め合いをしても、仕方がないであろう。であれば、あの息子が…。国王を始めとする息子達が、何を目指すか、この目で確かめたい。」


「流石、頭の良い者は違う。トーマス殿は、キーリの街へは行ったことがなかったですな?」

褒められたトーマスは、当然だとばかりに、平然とした態度で返答をする。

「あぁ いつも要件を済ませて、帰っていたからな。下の者と馴れ合うなんぞ、ポッサムには無いものだ。」

カルロは、トーマスを街へと連れていく事にした。