ヘンリーが転移した先は、ガーナレスの城下町。

以前、タケルの案内で訪れた塔だった。

「さぁ 行きましょう。」

モニカの手を引いて、塔の上へ向かう。

ポッサムの領主とモニカの登場に、周りの恋人たちは、自分達もあのようになりたいと思った。

ヘンリーのクールな表情が、いつになく優しく微笑み、気が強そうに見えるモニカも、ほんのりと頬を染めて、寄り添う姿はおとぎ話に出てきそうな程お似合いで、素敵だった。

「やっぱり、ここの景色は素晴らしいですわね?」

風がモニカの髪を揺らす。

「どうして、ここへ連れて来てくださったの?」

ヘンリーは、モニカの揺れる髪に手をそっと触る。

「モニカは、私を愛していますか?」

突然の質問に、小さく胸が踊る。

「…///…。はい。」

「きちんと言葉で聞きたい」

「い…///…意地悪ですわね…。愛していますわよ。ヘンリー。」

「良かった。」

ヘンリーがモニカを抱き寄せる。

「前に言っていましたよね?愛する人と来れたら良いと?」

「…///…い、言いましたかしら?」

「モニカ?私は、あと二ヶ月で16になる。モニカが16になるまで、あと四ヶ月。私は、あなたと生きていきたいと強く思っています。モニカ?私から逃げるなら、今です。私は、モニカを手放せなくなる。」

「逃げるなんて事はありませんわ?私もヘンリーと共に居たいのです。そう決めましたのよ?揺らいだりしませんことよ?」

僅か15才の二人が、出会って少しで恋におちた。

幼い二人の堅い決断。

ヘンリーは、モニカの顎に手を添え上を向かせると、そのまま口づけた。

モニカにとって、初めての事で一瞬、驚くが静かにそっと目を閉じた。

塔の向こうには夕陽が、二人を照らしていた。

その場にいた、恋人達は二人に見とれていた。