僕の(わたしの)生きる世界1[完]

《もう一つ》

タケルが、続けた。
全員が、まだあるのかよ。と思った。

《元陸帝のポーロが、ジェイクの補佐をするために、特殊部隊チームを抜けることとなる。》

これには、帝達は驚いた。
しかし、ジェイクがその道に進むなら、それは自然なことなのかもしれないとも、思った。

《オフワンの者は、ジェイクとポーロの指示に従うように。》

領主の座を狙っていた、多くの街のリーダー達は、新しい領主の突然の出現に、血筋とは言うものの、納得が出来かねたが、いざ登場してみれば、元総帝で更には元陸帝のポーロまでもが現れたとなれば、何も言えなかった。

元陸帝のポーロには、オフワンの民の多くが、助けて貰っていたのだから。

《執務長には、ルカを任命する。》

ルカ?ルカって誰だ?


何て囁き声が聞こえる。

ルカが赤い顔をしながらも、ユアンの隣に立つと、お辞儀をした。


《ここ最近のギルドの取り纏め、ルカが行っていたんだけど、不備はあったか?俺は、貴族であろうが無かろうが、出来る者に任せる。》

タケルがそうハッキリと言い切った。
そのまま、タケルは続ける。

《ガーナレス国の中で唯一、キーリ領土のみが、身分に関係なく、生活が確立されている。分からぬ貴族は一度キーリに行け。》

「国王様!?そんなことを言ったら、各領土の貴族がキーリに押し寄せて来てしまうじゃないか!!?」

ユアンが慌てて叫んだ。

「は?見せてやれよ?キーリは、俺の。俺とヘンリー、モニカの目標なんだからよ?ユアンなら対応できるって信じてるんだからな?」

タケルにベタ褒めされて、何も言えなくなった、ユアン。

「あ!あと、今ここにいる全員!!俺を国王様と呼ぶな!帝と貴族と城の連中は、抵抗感あるだろうから、国王と言うのは許すが、様はつけんな?出来れば、タケルと呼べ。俺、喜ぶから。 ここにいるユアン、ピーター。そして、Aクラスの皆!」

突然、呼ばれたクラスの皆は驚いた。


「俺はタケルだ。タケルと呼んでくれ?国王と呼ぶと絶交なぁ?」

「こ、子供か!?」

「俺、まだ15だもん!」

ピーターの突っ込みに、平然と笑って返したタケルに、ピーターもユアンも笑った。

そして、パーティの準備が始まった。