僕の(わたしの)生きる世界1[完]

《タケルだ。いいか?皆聞いてくれ?こうして、領主も総帝も揃った。ガーナレスは、新しい時代に入った。敵もいつ動くか分からん。国民全員が、領土全部が、協力しなければいけない。今後は、こうして国民全員へ連絡をするかもしれん。その時は、よろしく頼む!》

ヘンリーとモニカがタケルの隣に立った。

《ヘンリーです。ポッサムの民に領主である私より、通達があります。ポッサム領土の身分制を、今より撤廃する。》

会場にいるポッサム領土の人々が、ざわついた。

ヘンリーの父も、突然断りなく何を言うと怒り出す。

しかし、ヘンリーが続けた。

《よって、奴隷は解放すること。奴隷達を傷つけてはならない!良いですね?人が人を傷つけたら、貴族であろうが処罰の対象とします。詳細は、ポッサムの民にまたお知らせします。》

モニカの隣にピーターが立った。

《ピーターだ。ポッサム家に嫁ぐモニカは、身分制を無くしたい。とずっと言っていた。俺は、7年近くマッカーニーのジャングルの奥で出会った人々と暮らしました。魔物がいつ襲って来るか分からない、襲って来ても、マッカーニー家はギルドへの要請も出さず、犠牲になった人々は大勢います。マッカーニーとして申し訳なかった。俺は、その現実に疑問を抱きました。貴族もジャングルで暮らす人々も、何が違うのだと。俺は、ここで言う。マッカーニー領土の身分制を撤廃する。ジャングルの奥に追いやられた人達の希望者は、街に受け入れ保護すること。ジャングルの村の保護を強化すること。詳細は、追って通達する。》

ポッサムとマッカーニーの貴族は言葉を失い、下位の者は泣いて喜んだ。

「ユアンもこっちに来いよ?」

タケルがユアンを呼ぶと、ユアンがジェイクの隣に立った。