招待客も、関係者も全員が揃ったところで、タケルが前に出た。

本来ならば、タケルが進行役をやるのは変な話なのだが、ルカにはまだ荷が重く。

進行役をやろうとしたポーロも断った。

会場に来れなかった者達も、儀式が始まった時刻だなと、囁きあった。

「本日は、お忙しい中ご足労いただき、ありがとうございます。早速ですが、領主の儀式から、始めたいと思います。ポッサム家お願いします。」


タケルの言葉に、ヘンリーが前に立つ。

そこに、ヘンリーの父親がポッサム家の紋章の付いたローブをヘンリーに羽織らせた。

ヘンリーは、近くに立つモニカの手を取ると、話始めた。

「ポッサム領土の皆さん、そしてガーナレス国の各領土の皆様。この度領主を受け継ぎました。ヘンリーと申します。横に立つのは、私の婚約者です。」

「皆様、ごきげんよう。モニカ・マッカーニーと申します。」

モニカの挨拶に、マッカーニーとポッサムの人々がざわついた。

その中の一角で、悲鳴が上がった。
Aクラスの皆だった。

クラスメートに領主と国王が誕生するだけでも、事件なのに、まさか結婚の話まで出るとは。

そんなざわめきの中、ヘンリーが言った。

「いろいろと、話したいのですが、後が詰まってますので、話しはまた後ほど。」

そう言って、モニカと共に席へと戻る。