皆、笑ってはいたが、どうしても、もう一人がここに居ないことが寂しかった。

そして、オフワン領土の者の姿が無いことも気になった。

「ステラ。敵が現れてしまったな？」

ステラの父、ロイドが話しかけてきた。

「はい。私は、人々を守るために戦うことになります。お父様、お母様。私は大丈夫。」

「お前は、転生者だろうが、私達の娘だ！」

「分かっています。」

ロイドは、ミハイルに言った。

「ミハイル様と言いましたな？神は、何故に我が娘を選んだのです？」

「神は…あの御方は、この世界の初代の総帝です。あの御方は、キーリの地に産まれ生きた。現在のキーリの地は、温かく優しい。戦いに巻き込まれて行くステラに対しての、せめてものお気持ちだと思います。」

しんみりとした雰囲気に、ステラが言う。

「お父様！お母様！さぁ　ミハイルも！そろそろ始まるわ？お父様は、儀式があるから別よね？」

そして、各自指定された場所へと向かった。