僕の(わたしの)生きる世界1[完]

ピーターは咳払いをすると、いちゃつく二人に聞いた。

「分かった!お前ら何度も愛の単語を言うな!俺はな、独身だぞ?…。モニカもヘンリー様も、その気持ちは嘘ではないんだな?」

「えぇ お兄さま。私は自分で、ヘンリーと共に生きてゆくことを決めたのですわ。私もヘンリーを愛していますから。」

モニカの口から初めてストレートな言葉を聞いたヘンリーが、顔を赤らめた。

ヘンリーは声を落とし、ピーターに言った。

「ピーター殿。近々、国王の交代があります。新国王は、私やモニカやステラや総帝共に友人です。私たちの目標は、モニカ含めて共通しています。ポッサムもマッカーニー家も変わらなければならぬことがある。」

「それは、身分制の事か?」

「はい」

「だから、領主に?だからって、こんなに急がなくても良いだろうが」

「対策を遅らせれば、その分民が苦しむと言う事です。」

ピーターが黙りこんだ。ピーターの頭には、洞窟の皆の顔やジャングルの奥地で暮らす人々が浮かんだ。

「ポッサムには奴隷がいます。私は、捨てられた奴隷の一部を、キーリにお願いしています。」

自分の領土の民を、他の領土に?

そんな話しは、滅多に聞かない。
きっと、キーリ家の令嬢が関わっているのであろう。

あのお嬢様は、どれだけの人を助けているのだ?
総帝様の力も加わっているのだろうが…。

「ピーター殿。私とモニカと共に協力をお願いしたい。」

「あぁ もちろんだ!」

そう言って、二人は握手した。

その後は、食事会となった。