僕の(わたしの)生きる世界1[完]

ヘンリーは、悩んだ。

そして、告白をしてから一週間がたった時、またしてもモニカと二人きりになる機会があった。

「ヘンリー?」

「どうしましたか?」

「こ、この間のお返事を…///…お、お返ししようと思いまして…。私…。お願いします。」

顔を真っ赤にして、モニカが気持ちを伝えて来る。

「モニカ…。嬉しいですが、申し訳ない…。私の事情が変わってしまったのです。」

「え?ど、どういう事ですの?」

「私は、悩みに悩んで、今モニカの気持ちを聞いて、決めました。私は、モニカを愛しています。」

ヘンリーのハッキリとした言葉に、モニカが更に真っ赤になる。

「私は、父に領主の地位を譲って欲しいと伝えました。」

初めて聞くヘンリーの行動に、モニカは耳を傾けた。

「父からは、領主を譲るのに条件を出されました。」

「どんな条件ですの?」

「妻を持てと。ガーナレスは、16で婚姻が可能です。ですから、婚約者を連れてこいと。」

モニカは、話が急展開過ぎて戸惑った。

お付き合いと違って、婚姻となると重大だ。

「私は、モニカ以外考えられません。」

ヘンリーは、モニカを真っ直ぐ見て言った。

「モニカ・マッカーニー、私の妻になって欲しい。今一度、考えて下さい。良い返事を待っていますよ?」

モニカは、赤面したまま固まった。

通りがかったクラスメートに、声をかけられて、ようやく我に返ったのだった。

ヘンリーと結婚すると言うことは、ポッサムの領主の妻になると言うこと。

そんな役目が自分に出来るのか、不安があった。

ヘンリーと共に生活をする。

そんなのは、遠い先の夢で終わるハズだった。

ここで断ったら、二度とヘンリーとは人生を共に出来なくなるだろう。

そんなのは嫌だった。
だからモニカは、プロポーズを承諾することを決めた。

だけど、返事をしないまま事件が起きた。

敵が現れたのだった。

ヘンリーにサポートを頼まれた時は、嬉しかった。

そして、タケルも責任を背負う道を選んだ。

ヘンリーも、タケルと同じように、責任を背負う領主の道へと進もうとしている。

モニカは、一緒に背負う覚悟を決めて、ヘンリーのプロポーズを受けたのだった。