ポーロが、転移して来た。

ヘンリーから、逐一報告されていた、ポーロは、ジェイクを直ぐに抱き抱えた。

そこに、タケルやヘンリー、モニカやルカも走り寄ってきた。

「ジェイク!!」

他の生徒や教師は、その光景を遠巻きに見ている。

ミハイルは、関係者と共に特殊部隊チームの、ジェイクの部屋へと転移した。

殺風景な部屋に、サボテンがいくつか置いてあり、それを見たステラは、ジェイクらしいと思った。

ポーロは、ジェイクをベッドに寝かせた。

ミハイルは、聖属性の結界をかけると、
全員を連れて、帝の会議室へと転移した。

会議室には、帝達や国王が既に集まっていた。

ポーロとヘンリーが、簡潔に状況を説明する。

「じゃあ、総帝様は皆を助けるために、危険な技を?」

焔帝のマイクが呟く。

「ジェイクに治癒は、施しました。ですが、命の危険が伴う程、魔力を失った副作用がどうなるかは、分かりません。」

ミハイルの言葉にざわめく会議室。

「戻らない可能性も?」

普段喋らない、陸帝のジョーが聞く。

ジョーの声を久しぶりに聞いた。
とざわめく中、ミハイルは頷いた。

国王が呟いた。

「敵は、まだいると言うのに、ここで総帝殿を失っては、どうしたら良い。」


「そ、そんな事より!ジェイクは、目覚めるの!?」

ルカが叫んだ。

帝や国王は、総帝のジェイクを心配していたが、ルカ達五人とポーロは違った。

総帝ではなく、ジェイクを心配していた。

ミハイルは、ジェイク次第だと言った。