~ステラの部屋~
マッカーニーの洞窟から戻ったステラは、
部屋にいた。
いつものように、本を読む。
「ステラ?」
「どうしたの?」
ミハイルが、遅い時間に来るのは珍しかった。
「ステラは最近、何かあったのですか?」
「何もないわよ?」
ステラは、小さくドキッとした。
「私に隠しても無駄ですよ?ステラがため息をついている事を、心配している友人もいます。私に話せませんか?」
ステラは、本から顔を上げ、ミハイルを見た。
ミハイルが辛そうな表情をしていて、ビックリした。
そんな表情を見たのは、初めてだった。
ステラは、そんな表情をさせた事に後悔した。
「……。」
ステラは、手元の本を見る。
「ステラ…。もしかして、本が原因ですか?」
ステラは頷く。
そうか。佐々木 海斗の世界の文字や情報を、誌面として見ているうちに、ある種のホームシックのような状態なのか…。
ミハイルは、納得する。
「それは、私のせいですね?私が、漫画を持ってきたばかりに…。」
ミハイルは、自分自身に腹が立った。
「私は…。指導者失格です…。申し訳ない。」
震えながら謝るミハイルは、今にも消えそうで、居なくなりそうだった。
「違うの!!ミハイルは悪くない!」
ステラは、そんなミハイルを見て、咄嗟にミハイルを抱き締めた。
身長が180を越えるミハイルに、身長が160センチほどのステラは、ミハイルの胸に飛び込むような感じになった。
「ミハイルには、むしろ感謝しているの。佐々木 海斗の記憶はあっても、それが現実なのか、実感が無くて。」
ステラは、抱き締めたまま、顔を見上げミハイルを見る。
「でも、ミハイルが漫画を持ってきてくれたから、佐々木 海斗の世界は実在してるんだって、実感出来たの。だから、ミハイルのせいじゃないの。ただ、あっちの親や弟は、どうしてるのかなって…。たまに思っちゃうだけなのよ?」
ミハイルは、初めて神以外の者に抱きつかれて、どうしたら良いのか困った。
ステラの上目遣いに、赤面して冷静さを保つのに必死になった。
(わ、私は一体?こ、これは…。)
ミハイルの、震えの意味が変わってきたことに気付かないステラは、ミハイルが居なくなってしまうと感じ、涙が出そうになった。
そんな、ウルウルした表情をしたステラは言った。
「ミハイル?お願い、何処にも行かないで?」
ミハイルが悩殺された瞬間だった。
ミハイルは、ステラを抱き締めた。
「私は、何処にも行きません。私は、あなたの指導者ですから!」
(わ…。私は一体?)
そして、落ち着いた二人は我に返ると、勢いよく離れた。
ミハイルは、お休みなさいと転移していった。
ステラは、薄々気づいた。
仮にも振られたとは言え、佐々木 海斗時代に彼女が居たのだから。
どうしよう…。わたし、まさか…。
いや~!相手は天使だぞーー!!?
オイオイオイオイ
ステラの苦悶の夜だった。
マッカーニーの洞窟から戻ったステラは、
部屋にいた。
いつものように、本を読む。
「ステラ?」
「どうしたの?」
ミハイルが、遅い時間に来るのは珍しかった。
「ステラは最近、何かあったのですか?」
「何もないわよ?」
ステラは、小さくドキッとした。
「私に隠しても無駄ですよ?ステラがため息をついている事を、心配している友人もいます。私に話せませんか?」
ステラは、本から顔を上げ、ミハイルを見た。
ミハイルが辛そうな表情をしていて、ビックリした。
そんな表情を見たのは、初めてだった。
ステラは、そんな表情をさせた事に後悔した。
「……。」
ステラは、手元の本を見る。
「ステラ…。もしかして、本が原因ですか?」
ステラは頷く。
そうか。佐々木 海斗の世界の文字や情報を、誌面として見ているうちに、ある種のホームシックのような状態なのか…。
ミハイルは、納得する。
「それは、私のせいですね?私が、漫画を持ってきたばかりに…。」
ミハイルは、自分自身に腹が立った。
「私は…。指導者失格です…。申し訳ない。」
震えながら謝るミハイルは、今にも消えそうで、居なくなりそうだった。
「違うの!!ミハイルは悪くない!」
ステラは、そんなミハイルを見て、咄嗟にミハイルを抱き締めた。
身長が180を越えるミハイルに、身長が160センチほどのステラは、ミハイルの胸に飛び込むような感じになった。
「ミハイルには、むしろ感謝しているの。佐々木 海斗の記憶はあっても、それが現実なのか、実感が無くて。」
ステラは、抱き締めたまま、顔を見上げミハイルを見る。
「でも、ミハイルが漫画を持ってきてくれたから、佐々木 海斗の世界は実在してるんだって、実感出来たの。だから、ミハイルのせいじゃないの。ただ、あっちの親や弟は、どうしてるのかなって…。たまに思っちゃうだけなのよ?」
ミハイルは、初めて神以外の者に抱きつかれて、どうしたら良いのか困った。
ステラの上目遣いに、赤面して冷静さを保つのに必死になった。
(わ、私は一体?こ、これは…。)
ミハイルの、震えの意味が変わってきたことに気付かないステラは、ミハイルが居なくなってしまうと感じ、涙が出そうになった。
そんな、ウルウルした表情をしたステラは言った。
「ミハイル?お願い、何処にも行かないで?」
ミハイルが悩殺された瞬間だった。
ミハイルは、ステラを抱き締めた。
「私は、何処にも行きません。私は、あなたの指導者ですから!」
(わ…。私は一体?)
そして、落ち着いた二人は我に返ると、勢いよく離れた。
ミハイルは、お休みなさいと転移していった。
ステラは、薄々気づいた。
仮にも振られたとは言え、佐々木 海斗時代に彼女が居たのだから。
どうしよう…。わたし、まさか…。
いや~!相手は天使だぞーー!!?
オイオイオイオイ
ステラの苦悶の夜だった。

![指輪と私の物語1~焔~[完]](https://www.no-ichigo.jp/assets/1.0.776/img/book/genre7.png)
