僕の(わたしの)生きる世界1[完]

もう一つの橋を渡ると、先程真っ直ぐ来た通路とは、対岸の通路があった。

そこの人が少ない場所まで行くと、ジェイクはピーターに水を飲ませた。

「よく、酔っぱらいの対処法なんて知ってるわねぇ?」

佐々木 海斗の知識があるステラはともかく、ジェイクは未成年なのだから。

ジェイクは、困ったように笑う。

「まぁね。さぁ ステラ?聞きたいことがあるんじゃないの?」

ステラは、まだグッタリしているピーターに向かうと言う。

「貴方自身の話も聞きたいけれど、先ずはルーシーって女の子の元に連れていってちょうだい?」

ピーターは、動こうとしない。

ステラは、ピーターに治癒をかけた。

「どう?二日酔いは楽になったでしょ?」

ピーターは、胃のムカつきも頭痛も取れていることに気づいた。

「貴方は!光属性が使えるのか!?」

と、ピーターはステラの腕を掴むと、道をどんどん進む。
途中で、洞窟の脇道に入って行くと、そこには水属性で結界がしてあり、女の子の姿があった。

7、8歳だろうか?
側には母親らしき人がいた。

三人が結界を越えようとした時、ステラは咄嗟に二人を止めた。

女の子は苦しそうに息をしていて、
咳き込んでいる。

母親も、苦しそうな表情でこっちを見つめていた。

こ、この症状って…。

佐々木 海斗の世界でも昔に大勢が亡くなったと言う、あの病気に似ていた。

「ジェイク!ちょっと待ってて?二人とも?絶対結界には入ってはダメよ?」

そう言って、転移していった。