僕の(わたしの)生きる世界1[完]

ここは、バーだろうか?
壁も扉もない、お店のカウンターに一人の金髪の男性がいた。

結構飲んでいる様子だった。

「ちっきしょう…オレが…。」

「あんたのせいじゃあ、無いさ!あんたのおかげで、皆は助かってるんだから。」

「でもよ~!オレに力があれば、あの子は助かるって~のに!」

ステラは、その男性の横に立って言う。

「病気なのですか?」

「あぁ…。俺は光属性じゃないんだ!ここには、魔法を存分に扱える人はいないだろ~?お姉さんだって分かってる事じゃないか~!」

そう言ってお酒を飲む。

「あら? あんたたち見かけない顔だねぇ?逃げてきたのかい?よく、この街に辿り着けたね?」

お皿を片付けに来た、店員が言う。

店構えはバーだけど、バーでなく飲み屋か…。

とステラは思った。

「この人は、どうしたんですか?」

「この人は、ピーターって言うんだ。この街に必要な人だよ?あんたたちも、覚えておきなさい?この人は、土属性と水の属性を、きちんと使いこなせるんだ。学校にもまともに通えない、この街の住人は、まともな魔法を使える人なんて、いやしないからねぇ。あんたたちだって、そうだろう?」

ステラとジェイクは、適当に話を合わせる。

「でもねぇ…。」

店員が、困ったように言う。

「一週間程前から、ルーシーって女の子の体調が良くなくてねぇ…。街の皆もこの人も、手を尽くしたんだけどねぇ…」

そこまで聞くとジェイクは、代金をカウンターに置くと、ピーターを引っ張り店から出した。

お釣り~!って言う店員に、要らない。と告げると、人通りが少ない場所を探した。