僕の(わたしの)生きる世界1[完]

ステラが立ち止まったのは、洞窟の入り口のようだった。

地面に開いた、人が一人入れる位の穴だった。

ジェイクは、魔物を斬り続けて、最後に残った10数匹を一気に片付けた。

ステラは、穴の中へと歩みを進めた。

「こんな場所に一体?」

ジェイクも、知らなかったらしい。

内部に入ると、たいまつの明かりが、照らしていた。

階段が、地下へと続く。

明らかに、人の手が加えられている。

ジェイクは、先に歩くステラを止めると、前へ出た。

「僕が先に行く。」

「ありがとう。でも、きっと大丈夫よ」

それでも、ジェイクはステラを守るように進んでいく。

階段を降りると、ジェイクは足を止めて様子を見ると、広い通路が左右に伸びているようだった。

水の音が聞こえる為、通路に沿って川が流れているようだ。

階段を降りた左側は、ロープが張ってあり、真っ暗で行けないようになっていた。
どうやら、その先は道が無く危険なようだ。

右方向を見ると、たいまつの明かりが続いていた。

二人は、混乱を避けるため、白いローブを脱ぐ。

ジェイクは、ステラに進むよ?と確認を取ると、明かりに添って進む。

通路の右側は、土壁になっていて、左側は崖になっていて、5メートル程下には水が流れていた。

そして、通路がカーブになっていて、そこを曲がると、通路の幅が広がった。

二人は、そこで目にした光景に暫し足を止めた。

巨大な洞窟が、奥まで広がっていて、通路には、地面に敷物を敷いたりと各自スペースを確保し、露店のような物を出している人や、普通に寝ている人など、大勢の人がいたからだ。