僕の(わたしの)生きる世界1[完]

「ハァ…。」


ステラがため息をつく。

ここ2、3週間ほどで、ステラがため息をつく事が出てきた。

授業も討伐も訓練も、問題なく順調で、属性を混合した魔法の練習も、コツを掴みかけていた。

そんなたまにため息をつくステラが、皆は始めは全く気にしていなかったが、最近回数が増えてきた事に気になり、本人に問うがステラは何でもないと言う。

一緒に行動しているジェイクも、何も聞いていないと言う。

ルカはミハイルとの訓練時間に、勇気を出して聞いてみた。

「せ、先生。あの」

「どうしました?何か難しいですか?」

「いえ…あの…ステラが…。」

「ステラ?」

「最近、元気がないなと…。」

ミハイルも、それは思っていた。
もちろん気づいていた。

しかし、ステラの思考を探っても思い当たる事が分からないのだ。

「ルカ、ありがとうございます。私が聞いてみましょう。」