蘭の言うことは当たってて、そうするべきなんだって自分でもわかってる。


このままじゃ未練が残るだけだもん。


でもね、そう出来ないからこそ悩んでるんだよ。


振られるのがわかりきってるから、惨めな思いをしたくない。


傷付きたくない。


そんなバカなプライドが邪魔をする。



告白するくらいなら、未練を抱えてでも武富君を好きでいた方がマシだとさえ思う。



「ごめんね、それはホントに個人的なあたしの意見だから聞き流してくれていいよ。咲彩はそう出来ないってことを知ってるし、だから行き詰まってるんだよね?それなら、とことん好きで居てもいいと思う」


「え?」



とことん好きで居てもいい?



「苦しいしツラいだけかもしれないけど、明けない夜はないって言うじゃん?時間が経てば気持ちも変わって、告白しようって思える日が来るかもしれないし」



やっぱり蘭は私のことをよくわかってくれている。


告白出来ないってこと、見抜かれていたんだね。



「それに!他に気になる人が現れるかもしれないし。そしたら、武富君のことだってきっと忘れられる。人生、何があるかわからないんだからね」


他に気になる人……?