昇降口に着いた。
登校するのにベストな時間だということもあって、いつもよりも賑やかでうるさい。
5分違うだけでこれだもんね。
「おーい、虎ー!ちょっとこっち来てみろよ」
「朝から元気だな、お前らは」
「いいもんあるから早く来いって」
「なんだよ、ったく」
通りすがりのバスケ部の集団に呼ばれ、面倒くさそうにしながらも足を向ける虎ちゃん。
私と蘭はそんな虎ちゃんの背中を眺めつつ、上履きに履き替えて歩き出した。
気を抜くとすぐにため息が漏れてしまう。
そして浮かんで来る武富君と織田さんのこと。
考えないようにしてみても無意味で、自然と頭に浮かんで来る。
「咲彩さー、何かあったでしょ?」
「え?」
蘭がマジマジと私の顔を覗き込んだ。
カンが鋭くて、私のことを良く見てくれている蘭には何かあったらすぐに見抜かれちゃう。
「ほらほら、白状しちゃいなー。咲彩の場合、顔がすべてを物語ってるんだからね」
「う〜……っ。らんー……実はね」
そう言いかけたところで、後ろから誰かに肩を叩かれた。



