早く俺を、好きになれ。



「今度遅刻したら、お詫びにケーキ奢ってもらうから」


「うっ。気を付けます」


「わかればよろしい。さっ、行こっ!」



歩き出した蘭に続いて後を追う。


虎ちゃんと目が合い、ニッコリ微笑まれた。


朝から爽やかだなー。



「目ぇ腫れてんじゃん」


「え?ウソ」



小説を読んで泣いたからかな?


昨日、武富君のことを考えてたらなかなか寝付けなかったし。


なんだか体もだるいし、今日は寝不足。



「それに今日はスッピン?寝ぐせ付いてるし、寝坊でもしたんだろ?」


「う、よくわかるね。いろいろ考えてたら、止まらなくなって。おまけに小説読んで泣いたんだよね」


「はは、咲彩も小説読んで泣いたりするんだな。それにしても、スッピン久しぶりだから新鮮だな」



イタズラッ子のように笑う虎ちゃんは、スッピンの私の顔を面白そうに覗き込む。



「ちょ、そんなに見ないでよ」



乙女のスッピンをジロジロ見るなんて、虎ちゃんにはデリカシーのカケラもないんだから。


それにね、私だって小説読んで泣いたりするんです。


意外と涙もろいんです〜!