「ムリにとは言わないけど、柑菜(かんな)が市口さんと仲良くなりたがってるからさ。それに、あいつも小説が好きなんだよ」
ーーズキン
柑菜。
それは織田さんの下の名前。
付き合ってるんだもん、下の名前で呼んでたっておかしくはない。
だけど、その事実にひどく傷付いている私がいる。
こんなことで傷付いてたら、2人が一緒にいるのを見た時にはどうなるの。
苦しくて、ツラくて。
見ていられないと思う。
心が潰れちゃいそうだよ。
「うん、考えとくね」
無難にそう返事をすることしか出来なかった。
一緒に行くなんてムリだよ。
2人が仲良くしてる姿なんて見たくないもん。
考えただけでこんなにも苦しいのに。
織田さんはいい子だってわかってるけど……仲良くしたくないし、なりたくない。
そう思ってしまう私は最低かな?
心が狭い?
こうして話しているだけで、武富君の笑顔が私だけに向けられて欲しいって願っちゃう。
どんどん欲張りになっていってるよ。



