私は虎ちゃんよりも武富君のことばかり目で追っていた。
虎ちゃんと敵チームの武富君は、ボールが集まる虎ちゃんをマークしているけどすぐに抜かれてしまう。
その度に悔しそうな顔をする武富君は、意外と負けず嫌いみたい。
次こそは止めてみせる!っていう気迫のこもった動きにドキドキさせられっぱなしだった。
抜かされっぱなしだけど、バスケ部員でもないのにここまで動けるのはすごいと思う。
頭も良くて、運動神経も良いなんて。
額に浮かんだ汗を腕で拭う仕草。
悔しそうに唇を噛み締める横顔。
ゲームの流れを読み取る洞察力と冷静な瞳。
目立っているわけじゃないのに、武富君の姿がキラキラ輝いて見える。
いつの間にか、手に汗を握って武富君に見惚れていた。
「いけ、虎!」
「末永君、頑張って〜!」
頑張れ……っ!
頑張れ、武富君っ!



