「あ、うん」
織田さんはぎこちなく笑った。
「咲彩こんなん作れるんだなー、マジ天才じゃん」
「いや、私が作ったわけじゃ……ほとんど織田さんが作ってくれたんだよ」
「へえ、織田が。すげーな」
美味しそうにクッキーを頬張る虎ちゃんは、あげた分をあっという間に食べ尽くしてしまった。
「ううん、それは市口さんが頑張って作ったクッキーだよ」
「あー、だから形がいびつだったのか。ま、それでもうまかったけど」
「市口さん、頑張ってたもんね!末永君にあげるためだったんでしょ?」
今度は織田さんは私の目を見てニッコリ笑った。
「え、いや、違うよ。私は単にお菓子作りが上手くなりたかっただけで」
虎ちゃんよりも、武富君にあげるためっていうか。
上手く作れるようになったら、自信が持てるかなって思っただけなんだ。
それに、好きな人のために何かしたいって思ったから。



