ホントはあげるつもりだけど、ついついこんな風に言ってしまう。
虎ちゃんとふざけ合うのは、正直今でも楽しい。
「お願いします、咲彩様〜!今恵んでくれたら、一生感謝しますんで」
「え〜?そんなにほしいの?まったく仕方ないなぁ」
「はい」とカバンから小分けの袋を取り出し、虎ちゃんに渡した。
「おー、さすが咲彩。俺がクッキー好きだって、よくわかってんじゃん」
嬉しそうにはにかむ虎ちゃんは、よっぽどお腹が空いていたのか早速袋を開けている。
そこへ靴を履いた織田さんがやって来た。
「じゃあ、私は帰るね。バイバイ」
「あ、うん!また来週ね!」
私が手を振ると、織田さんも小さく手を振ってくれた。
「織田じゃん。バイビー」
織田さんは私の隣にいた虎ちゃんを見て目を見開いた。
そんな織田さんにニッと笑って手を振る虎ちゃん。
さすが顔が広いだけはある。



