早く俺を、好きになれ。



緊張でガチガチな私の背中に、虎ちゃんの腕が回される。


抱き締められるのは初めてじゃないのに、ドキドキしすぎて落ち着かない。


心臓が口から飛び出しちゃいそうだ。



「咲彩」


「う、ん」


「ぷっ、緊張してんの?ガチガチじゃん」


「う、うるさい」


「はは、かーわいい」


「……っ」



も、もうダメだ。


緊張しすぎて顔は真っ赤だし、しまいには体中が震え出した。


ギュッと目を閉じて虎ちゃんの胸に顔を埋める。


すると、トクントクンと虎ちゃんの心臓の音が聞こえて来た。


う、うそ。


私のより速い。


虎ちゃんも……緊張してるのかな。


っていうか、好きって言ったんだけど。


その返事はーー?


それに、佐古さんのことだって……。


「虎ちゃん……」


「ん?」


「佐古さんは」


「ちゃんと断ったから」


背中に回されていた虎ちゃんの腕に、ギュッと力が加わる。



「と、虎ちゃん……苦しいよ」


「俺を想って、もっと苦しくなればいい」


「……っ」


ドキンと胸が締め付けられる。


密着しすぎて、息ができなくなりそうだよ。