「咲彩がどれだけあいつを好きだったか知ってるし。気持ちが戻ったとしても、不思議じゃないだろ」
「……ないよ」
「え?」
「それは、ない」
虎ちゃんはまだ体操服姿のままで、そのジャージの裾に思わず手を伸ばした。
緊張するけど、ちゃんと伝えよう。
「虎ちゃんこそ……佐古さんになんて返事したの?」
「どうって、咲彩がなんでんなこと気にするわけ?」
「なんでって……それは」
思わずうつむく。
緊張して手が震えるけど。
でも、それでも伝えたい。
私の気持ちが全部、キミに届けばいいって願う。
「恋……しちゃったから」
「え?」
「だから……恋だよ!恋」
虎ちゃんは固まったまま動かない。
私はそんな虎ちゃんの手をギュッと握って、大きく深呼吸をした。
今度は私から。
「虎ちゃんのことがーー」
ちゃんと伝える。
「好き」
ドキンドキンと高鳴る鼓動。
武富くんに告白した時よりも、かなり緊張してる。
ど、どうしよう……。
緊張して手に汗握る。
うー!
早く返事をしてよ。
だんまりは心臓に悪い。
「……咲彩」
「ん?」
「抱き締めてもいい?」
「え……?」
「いい?」
指を絡め取られ、グイッと引き寄せられる。
ゴツゴツした男らしい大きな手。
がっしりした胸板。



