いつもの斎藤くんだ。
な、なんなの。
短い時間での、この変わりようは。
「咲彩、お前……俺というものがありながら」
「え……?いや、あの」
楽しげな斎藤君と、冷ややかに私を見る虎ちゃん。
わけがわからないんですけど。
仲直りしたの?
「武富となに話してたの?あ!愛を語り合ってた、とか?」
試合の時のような無愛想な斎藤くんは、もうどこにもいない。
チャラチャラして、お調子者で、ヘラヘラして、本来の斎藤くんの姿に戻ってる。
いったい、何があったの?
「あ、愛なんて語るわけないでしょ……!変なこと言わないでよ!」
「あーあ。ほら、また虎がスネた目で見てんぞ」
「ええっ?」
うっ。
ホ、ホントだ。
「んじゃ、まぁ俺はさっさと帰るから、あとは若い2人で愛でも何でも語り合って下さ〜い!」
斎藤くんは自分の席に行ってカバンを掴むと、陽気に手を振って教室をあとにした。
な、なんだったんだろう。
すっかり元通りって感じなんですけど。
「仲直りしたんだ?」
うん。
それはそれでよかったけどさ。
それにしても、あの変わりようはすごいな。
さすが斎藤くんと言うべきか。



