早く俺を、好きになれ。



虎ちゃんの行動と想いに胸がいっぱいになって、涙が溢れた。


だけど、泣かない。


涙をこらえて、精いっぱい笑ってみせた。



「うん……!待ってるよ」



斎藤君を追いかけるのは、虎ちゃんじゃなきゃダメだから。


頑張ってね、応援してる。


私は何事にもまっすぐに向き合う虎ちゃんのことがーー。


好きだから。


走り去る虎ちゃんの背中を、いつまでも見つめていた。



「あんたたち、ホンットどこまでも純愛だね」


「うん……いいの。私は虎ちゃんを応援してるから!」


「はいはい。咲彩と虎の純粋さには頭が上がらないよ」


「ふふ、ありがとう。頑張って伝えるね」


「褒めてないからね?」



呆れたように蘭が笑うから、思わず私も笑ってしまった。


つられて叶ちゃんまでもが笑う。



「これで咲彩もやっと彼氏持ちかぁ」


「彼氏……」


なんだかくすぐったい感覚。


「虎はホンットどこまでも純粋でバカで一途で、見てて呆れるほどの奴だけど!イイ男だってことは、あたしが保証する」


「うん……ありがとう」



そうだね。


知ってるよ。


虎ちゃんがイイ男だってこと。


誰よりも近くで見てきたから。