早く俺を、好きになれ。



「ううっ、蘭〜。叶ちゃん……私、私……虎ちゃんのことが……好き」


「あは、もうバカだな。そんなのずっと前から知ってるよ」


イタズラッ子のような笑みを浮かべて私の頭を撫でる蘭に、叶ちゃんがうんうんと頷く。


「ちゃんと本人に伝えてあげて」


「うん……」


斎藤君以外のメンバーと笑顔でハイタッチを交わす虎ちゃんに、胸が熱くなる。


やっぱり私は、バスケをして笑ってる虎ちゃんが好き。


バスケ部の仲間といる虎ちゃんがすごく好きだよ。


友達としてなんかじゃなく、虎ちゃんに恋をしてしまった。


そこで試合終了のホイッスルが鳴って、私たちのクラスの優勝が決まった。


メンバー同士の挨拶が済むと、たくさんのギャラリーが虎ちゃんや斎藤君に向かって駆け出す。


虎ちゃんはメンバーからガシガシ頭を掻き回されたり、肩を組まれたりして囲まれていた。


そんな中、斎藤君が体育館を出てどこかに行ってしまう。


追いかけたいけれど。


でも、それは私の役目じゃない。



「咲彩!」



コートからまっすぐ私を見上げる虎ちゃん。


その顔は自信に満ちていて、以前のような虎ちゃんの顔だった。


私の大好きな虎ちゃんの顔。



「俺、ちょっと行ってくる!そのあと、絶対に咲彩んとこに行くから!」



ギャラリーたちには目もくれず、まっすぐに私だけを見つめるその瞳。


そんな虎ちゃんに、今度は私がーー。


ちゃんと伝えよう。