早く俺を、好きになれ。



斎藤君は虎ちゃんを避けるように机に突っ伏すと、誰の声にも反応しなくなった。


その様子を見た他のバスケ部メンバーも戸惑いながら席に着き、気まずい雰囲気を漂わせる。


すぐにチャイムが鳴って先生が来ると、微妙な空気が流れていた教室内にいつもの日常が戻ってきた。


チラリと虎ちゃんの様子をうかがうと、偶然にもこっちを見ていたのか思いっきり目が合ってしまった。


眉を下げて悲しそうに笑う虎ちゃん。


ズキンと胸が痛む。


虎ちゃんがツラいと、私までツラいや。



「1時間目はホームルームだな。今日は、前から言ってた球技大会のメンバーを決めるぞ〜!サクッと決めて、早く終わらせてくれよ」



担任の先生のやる気のない声が教室内に響く。


球技大会……。


そういえば、冬休み前にあるんだっけ。


すっかり忘れてた。


学校祭委員決めの時とは違って、運動部の集まりでもあるうちのクラスは順調に球技のメンバーが決まっていった。


ちなみに、私は叶ちゃんとバレーに出ることになってしまった。