「咲彩はホントにバカなんだから」
「うんっ……」
自分でもそう思う。
「武富くんのことは、もう好きじゃないの?」
「うん……多分、もう大丈夫。初恋だったし、そりゃちょっとはまだ胸が痛いけど」
未練とかはないと思う。
柑菜とお似合いだなって思うし、何より幸せそうにしてる武富くんを見てるとこっちまで嬉しくなるから。
今でも、武富くんは特別な人。
でも、それは恋じゃない。
私の中で、武富くんは思い出の中の人になった。
「そっか。それならいいんだ。はぁ。今日はあたしのことを伝えるつもりで来たのになぁ。咲彩にビックリさせられちゃった」
「え?蘭のこと?なに?」
顔を上げて蘭の目を見つめる。
相変わらず可愛くてオシャレな蘭。
「颯太君と……付き合うことになったの」
「えっ!?速水君と?」
小さく頷きながら、頬を赤らめる蘭が可愛くて。
速水君とのことが、まるで自分のことのように嬉しかった。
「やったじゃん!よかったね、蘭!おめでとう〜!」
嬉しくて思わず頬がゆるむ。
「ありがとう。咲彩からも、いい報告が聞けるように待ってるからね」
「う、うん……っ!」
「自分の気持ちに正直にね」
そう言った蘭の目はとても真剣で、ほころんでいた顔が一気に引き締まった。
ごめんね……ありがとう。
蘭にはたくさん心配させちゃったから、今度こそ安心させたい。
そのためにも、私がやらなきゃいけないことを頑張ろう。



