あれからなぜか熱が出て2日間学校を休んだ。


そのまま土日に入り、虎ちゃんとは顔を合わせることもなくーー。


今は日曜日のお昼時。


部屋に突然蘭がやってきて、虎ちゃんとの間に起こったことを全部白状したところ。


「へ〜!で、虎とキスしたってわけ?」


「そんなに大きな声で言わないでー!恥ずかしいんだからっ」


あの日のキスを思い出すだけで、顔に火がついたみたいに熱くなる。


今も……虎ちゃんの唇の感触が消えてくれない。


ジンと熱を持ったような感覚。


あの日から、確実におかしい。


虎ちゃんのことばっか、考えてる。


私って、なんて単純なの。


「で、付き合うの?」


「わかんない……」


「はぁ!?なんで?」



バンッと蘭が手でテーブルを叩く大きな音が辺りに響いた。


蘭は信じられないと言いたげな顔で、私に詰め寄る。



「なんで付き合わないの?好きだからキスしたんでしょ?ありえない!」


「ら、蘭、落ち着いて」


「ムリ!咲彩も虎も、意味わかんないよ。普通、好きじゃないのにキスする?」


「し、しない」


好きじゃなきゃするはずない。


でも、嫌じゃなかった。


ってことは、私は虎ちゃんのことが好き……なの?



「っていうか、ホンッッットに意味わかんない」


「蘭、落ち着いて」


「ムリ!」


興奮気味の蘭をなんとかなだめようとするけど、そうしようとすればするほど怒りは大きくなっていく。


「だよね、ごめん」


「虎のこと……好きじゃないの?」


「好きだよ。好きだけど……恋なのかはわからない。でも、そばにいてくれなきゃ嫌なの。一緒にいたらドキドキするし、離れたくないって思う」


「…………」