困惑顔を浮かべる虎ちゃん。
「武富君のことは……もう何とも思ってないよ。それよりも、虎ちゃんと話せない方が寂しかった」
ああ、もう。
なに言ってんの、ホントに。
言わないつもりだったのに。
バカじゃん。
大バカじゃん。
でも、本心だから。
今まで話せなかった分、全部伝えたい。
だって、やっとこうして向かい合えたんだもん。
「寂しかったの、虎ちゃんと離れて。失って初めて、大切さに気付いたんだよ」
恥ずかしくて居ても立ってもいられなくなり、スカートの裾をギュッと握り締めたままうつむく。
私の中でいつの間にか虎ちゃんの存在が大きく膨れ上がっていたことに、ようやく気付いたの。
「私……バスケをする虎ちゃんの横顔が好き。シュートを決めた時の弾けるような笑顔とか、斎藤君やチームメイトとハイタッチする姿とか……とにかく、虎ちゃんの笑った顔が好きなの」
ありえないほど心臓が速く脈打っている。
顔が真っ赤なのも、自分で承知済みだ。
でも、伝えたい想いがある。
「いや……意味、わかんねーから」
キョトンとする虎ちゃんは、キツネにつままれたみたいな顔をしていて目をパチクリさせている。



