早く俺を、好きになれ。



販売コーナーは、体育館の真横の仮設テントの下。


バザーや他のクラスがやってる催し物の、隅っこの小さな一角だ。


そこにイスが2つ並んでいて、1年生の2人がちょこんと座っていた。



「あ、咲彩先輩!」


「遅くなってごめんね」


「いえいえ、ピッタリですよ」


「売れ行きはどう?」


「うーん、ちらほらって感じです!でも、これから忙しくなりそうな予感はします」



「あ、でも!咲彩先輩が作ったマーブルクッキーは、即完売しましたよ〜!ひとりの人が全部買って行ったんです!」


「えっ!?」



即、完売……?


ウソ。


ひとりの人が全部買ってくれたの?


で、でも、結構な量だったよ?



「その人、10時前の準備中に来て『マーブルクッキー全部くれ』って言ったんです」


「だ、誰が買ったの?」



その人は、よっぽどマーブルクッキーが好きってこと?



「えーっと……名前はド忘れしちゃったんですけど、かなり有名な2年の男の先輩です。1年の間でもすごく人気があって」


「確かバスケ部だったような……とにかく、すごいイケメンなんです!顔はわかるのに、名前が出てこない〜!」



2人はうーんと唸りながら記憶を辿っている様子。


ドキドキと高鳴り始める鼓動。


2年のバスケ部のイケメン男子って……。


ウソ。


でも、まさか。