早く俺を、好きになれ。



胸に押し寄せる後悔の渦がどんどん大きくなっていく。


廊下に呆然と立ち尽くしたまま動けなかった。


虎ちゃんの優しさに甘えて、告白の返事をちゃんとしなかったのは私だ。


曖昧にしてきたのは……私だ。


それなのに、こんな最低な形で傷付けるなんて……。


斎藤君に言うよりも先に、虎ちゃんに言わなきゃいけなかったのに。


からかってくる斎藤君に対してムキになっていたとはいえ、何もあんなひどい言い方をすることはなかった。


私……ホント最低。


いつでもどんな時も笑っていた虎ちゃんのあんな顔は初めてで、喉の奥が焼けるように熱くなる。


私のせいで……虎ちゃんにあんな顔をさせてしまった。


今まで散々助けてもらったのに、恩を仇で返すってこのことだ。



「市口さん、そろそろ12時になるけど……」


「え……?」



あ。


ヤバい。


調理部の店番!



交代の時間ということもあって、次の担当のグループの子たちが次々と教室の中の子たちと交代していく。


巨大迷路は大繁盛というわけではないけど、思いの外好評でお客さんが途切れない程度には入っていた。


武富君はそのまま受付を続行するようで、私に「早く行った方がいいよ」と急かす。


虎ちゃんのことが気になりつつも、調理部の販売コーナーに足を運んだ。