早く俺を、好きになれ。



目指すは駅前のドラッグストア。


晴れているというのに、外に出るとジメジメして生温い風が頬に当たった。



「もうすぐ夏だな。歩いてると汗が出てくる」



「そうだね、大分暑いよね」



武富君の隣はなんだか新鮮で、妙にそわそわして落ち着かない。


こうやって学校の外を並んで歩いてるなんて、どう考えても信じられなかった。



「俺、夏が1番好きなんだよね」



「え?そうなの?暑いのに」



「うん、暑いけど。セミの鳴き声を聞いたり、日が暮れるのが遅かったり。なんか1日得した気分にならない?」



そう言ってクスッと笑う武富君。



「と、得?まぁ、夏休みがあるのは嬉しいよね」



「はは、誰かさんと同じこと言ってる」



誰かさんって……?


武富君と話せて嬉しいはずなのに、どうしても織田さんのことがチラつく。


寂しそうに笑う横顔から目が離せなくて、想いの大きさを実感してしまった。


私の想いが届くことはないって……改めて思わされた。



「まだ……好きなんだよね?」



「え?」



「織田さんのこと。好きなんだよね?」



私の質問に黙り込む武富君。