「送ってくよ。うお、やっぱうまっ」
クッキーを頬張りながら虎ちゃんが笑った。
相変わらず反応が素直で私まで嬉しくなる。
「いいよ、すぐそこだし。ひとりで帰れる」
200メートルの距離を送ってもらうのは、かなり申し訳ない気がする。
手を振って歩き出そうとするとーー。
「バーカ、待てよ。送ってくから」
腕を引っ張られてしまった。
虎ちゃんは一度言い出したら聞かないから、私は素直にその言葉に従った。
虎ちゃんといるとホッとする。
心が温かくなって、居心地が良い。
外に出て上を見ると、空には満月が浮かんでいた。
辺りは月明かりと街灯でかなり明るい。
……綺麗だな。
今頃、武富君は何をしてるんだろう。
そんなことを思いながら、虎ちゃんと並んで歩いた。



