早く俺を、好きになれ。



ソファーに手を付いてガックリとうなだれる。


ヤバい、めまいがして来た。


倒れそう。


清楚を代表する大和撫子の叶ちゃんの好きな人が、最低最悪のチャラ男だなんて。


こりゃファンが泣くよ。


泣き叫ぶよ。



「でもさ、ツラくない?斎藤君って色んな子とウワサがあるし、よく女の子といるとこ見かけるじゃん?」



恐る恐る叶ちゃんに訊ねる。


私は武富君が織田さんと2人でいるところを見ただけで胸が張り裂けそうだったから、色んな子といる斎藤君を見てる叶ちゃんが心配になった。


教室でも構わずに堂々とイチャイチャしてるし。


そっか。


叶ちゃんは虎ちゃんを見てたんじゃなくて、虎ちゃんと一緒にいる斎藤君を見て寂しそうに笑ってたのか。



「ツラいけど……斎藤君に近付くためになんの努力もしてないのはあたしだから、仕方ないかなって」



「叶ちゃん……」



「だってそうでしょ?少なくとも他の子は自分の気持ちを伝えて努力してるのに、あたしは見てることしか出来ないんだもん」



悲しげにうつむく叶ちゃん。