早く俺を、好きになれ。



「ごめん、ありがとう」



私の手を掴む力が、なんだかいつもより強い気がするのは気のせいかな。


いつもなら振り払えるような力なのに、今はがっちり掴まれてる。


ミルクティーとスポーツドリンクを買うと、虎ちゃんに引っ張られるがままベンチに向かった。


並んで腰を下ろすと、虎ちゃんの手が離れて少しホッとする。


正直、掴まれたままだとどうしようって困ってた。



「ん」


「ありがと」



ミルクティーを受け取って両手で握り締める。


冷えた缶が、私の心を落ち着かせようとしてくれているようだった。



「回りくどい言い方は嫌いだから、はっきり言う」



真剣な虎ちゃんの声が胸に突き刺さる。


いつもと違ってマジメモードで、私たちの間にはこんな空気は似合わない。


でもきっと、虎ちゃんは何かを察してる。


だからこうして、私をここに連れて来た。




「俺にしとけよ」



虎ちゃんのかすれた声と同時に、私たちの間を風が通り抜けた。


なんの脈絡もなく放たれた言葉は、私の想像とはかけ離れたもので。


思わず目を見開く。


何を言ってるの?


とっさに虎ちゃんに目を向ける。



「えーっと……どういう、意味?」



ん?


え?


俺にしとけよって……。


何が?


わけがわからなくて、思いっきり首を傾げる。



「咲彩のツラそうな顔は見てらんねーんだよ」