「すっげえいい試合だったよな。市口さんは末永の応援に来たんだろ?本当に仲良いんだな」
「あ……うん。でも、蘭もいたし。中学の時からの腐れ縁みたいなもんで、全然まったくそういう関係じゃないから」
バカだ。
なに言い訳してんの、私。
こんな状況でさえも、武富くんにだけは勘違いされたくないって思っちゃうなんて。
「あ!ねぇ、私たちこれから颯太と3人で駅前のカラオケに行くんだけど!良かったら市口さんも一緒にどう?」
名案が浮かんだとでも言うように、織田さんの表情がパアッと明るくなる。
やめてよ。
行けるわけ……ないじゃん。
武富くんの隣で、そんなに無邪気に笑わないで。
織田さんに笑われるとツラい。
「ごめん……私、これから約束があって」
「そっかぁ。急だもんね、ごめんね」
「ううん、ホント……ごめんね。じゃあ私、そろそろ行くね」
2人の顔を見ないようにしてベンチから立ち上がり、逃げるようにその場を去った。



